ひかりの差し込む工場

昔の地図には工場のあるところにキザギザの屋根と煙突のマーク描かれている。今でこそ郷愁を感じるそのノコギリ屋根は、かつては近代工場の象徴ともいえる存在だった。もともとは産業革命当時の英国で考案された屋根の構造で、日本では明治10年代末に採用され始めた。構造的にもシンプルで事業の拡大とともに増築できるのも流行った理由の一つだろう。倉敷に根ざしたタケヤリの帆布工場も増築を繰り返し今のたたずまいになっている。

実際にノコギリ屋根の建物は採光がしっかりとれ、とても明るい。工場内で働く職人ののことを考えても、明るさを十分確保することは、単に生産性の向上だけでなく、ものづくりの心まで豊かにしてくれている。やはり良い環境でしか良いものは生み出せないのだ。

写真は生地の保管場所。電気を使わなくても十分な明るさがある。柔らかく入ってくる光の中で出荷の時を待っている。

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