昔の街並みが残されている倉敷美観地区

帆布まれた場所

かつて江戸幕府の直轄地「天領」として栄えた倉敷。物資の集積地でもあったこの地では、さまざまな文化が花開きました。

帆布もそのなかのひとつ。実は、倉敷は現在国内で生産されている帆布の約70% がつくられている一大生産地。その中でも半数以上の生地を織っているのが、創業130 年(1888 年創業)の歴史を誇る老舗の工場TAKEYARI(タケヤリ)です。そして、この工場が倉敷で初めて帆布を織りはじめた最初の機屋(生地を織る家や職人のこと)。現在でも、自社で帆布を生産している数少ない機屋のひとつです。

倉敷帆布を最初につくったTAKEYARI の入り口には「帆布 発祥の地」と書かれた柱が建てられている

のない丈夫生地

帆布は、その名の示すとおり「船の帆」として使われたのが起源といわれています。その特長は過酷な環境にも適応できる通気性の良さと強靭さ。

帆布には1号~11号までの種類があり、号数が小さくなるほどに撚り合わせる(ねじりあわせて一本の糸にすること)糸の本数が多くなります。1号帆布では8本もの糸を撚りあわせるためにより丈夫で厚い生地に織りあげることが可能。その堅牢さは綿生地のなかで最も丈夫な素材といわれています。

しかし、厚い帆布をつくるには技術が必要なため、1号~3号までの極厚帆布を織ることができるのは現在では世界中で唯一、TAKEYARI だけです。

2~8本の糸を1本に合わせることで厚みのある丈夫な生地が生まれる

気候によって変動する糸や織機を調整しながら時間をかけて織りあげていく

TAKEYARI帆布

TAKEYARIのバッグになる帆布は全て、既に廃盤となっているアンティークのシャトル織機を用いて1日に約1反(約50m ~ 70m)、最新型の織機のおよそ10分の1 というゆっくりとしたスピードでじっくりと織りあげた「一級帆布」を使用しています。この織り方にこだわる理由は、この方法でしか出せないクオリティがあるから。職人の技術と織機がそろって初めて生まれる、美しく機能的な生地です。一般的な帆布と比べて高価なため国内でみることはあまりありませんが、近年、その珍しさから海外からも注目を集めています。

目を引くような斬新さは無く、シンプルなつくり。ですが、10年先、20年先も変わらずあり続けるよう願いを込めて生み出された特別なバッグ。風合いの良さや、使い込むことによって生まれる味わいも帆布の魅力です。

2色の糸を織りあわせたシャンブレー特厚2 号帆布。TAKEYARI にしかない技術が使われている